アメリカ合衆国第16代大統領リンカーンは、ゲティスバーグ演説において「人民の人民による人民のための統治」という台詞を残しました。
この文言は日本国憲法にも影響を与えていますし、中学や高校の生徒会選挙でもよく使われる表現ですね。
それならば、この「人民の人民による人民のための統治」という言葉はどのような演説で使われた表現なのでしょうか。
ここではそんなゲティスバーグ演説について解説します。
ゲティスバーグ演説とは
「人民の人民による人民のための統治」というのは、1863年11月19日、ペンシルベニア州のゲティスバーグで行われた演説で使われた表現です。
南北戦争の最中であり、大統領であったリンカーンは短い演説をするように依頼されていました。
確かに2分にも満たないような短いものでしたが、この演説はアメリカ独立宣言や合衆国憲法に並んで重要なものだと考えられています。
特に「人民の人民による人民のための」という部分は有名であり、民主主義の原則を表した表現として知られています。
日本国憲法にも影響を与えている
このゲティスバーグ演説の「人民の人民による人民のためのという部分は日本国憲法にも影響を与えています。
日本国憲法には「そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という表現がありますよね。
これはリンカーンのゲティスバーグ演説から来た表現をヒントにして出来上がった文言だと言われています。
もともとは聖書から来ている
大統領の演説というものは様々なところからヒントを得て出来上がっているものです。
確かに、この「人民の人民による人民のための」という表現はリンカーンが作り出したものではなく、600年ほど前に翻訳された聖書から来ているのです。
その聖書はジョン・ウィクリフという人物によって翻訳されたウィクリフ聖書と言われており、その序文には「この聖書は人民の人民による人民のための統治に供するためにある」と書かれています。
この部分からリンカーンのゲティスバーグ演説はヒントを得たと言われています。
まとめ
いかがでしょうか。
アメリカの首都ワシントンDCにはリンカーンメモリアルというものがあり、その中にはリンカーンの銅像が建てられています。
内部の壁には有名なゲティスバーグ演説が彫られており、特に「人民の人民による人民のための」という部分は有名であり、多くの人が写真を撮っています。
アメリカを訪れるときにはワシントンDCも訪れてみてはいかがでしょうか。