アメリカ独立宣言と、アメリカ合衆国第16代大統領リンカーンはどのように関わってくるのでしょうか。
もちろん、アメリカ独立宣言が発布された時、まだリンカーンは生まれていませんよね。
しかし、そんなリンカーンが成し遂げた業績の中には独立宣言と大きく関わってくるものがあります。
それは一体なんなのでしょうか。
ここではリンカーンとアメリカ独立宣言の関わりについて解説します。
アメリカ独立宣言とは
アメリカ独立宣言というのは、もともとイギリスによって統治されていたアメリカ東海岸の13の植民地が独立することを宣言した文書です。
これは1776年7月4日、大陸会議によって採択されました。
今でも7月4日はアメリカの独立記念日として盛大にお祝いされていますね。
原本はワシントンにある国立アーカイブスに保存されており、誰でも見ることが可能です。
そんな独立宣言は、人民は誰もが平等であるという旨が記載されています。
しかし、この時の人民というのは白人、そして成人男性の事でした。
誰もが平等だと書かれているにもかかわらず、この後も黒人たち、いわゆるマイノリティーの人々は差別を受けることになったのです。
奴隷貿易とリンカーン
アメリカ合衆国16代大統領リンカーンは特別豊かな家で生まれ育ったわけではありませんし、素晴らしい学歴を持っているわけでもありません。
彼自身は、学業は要らないと考えていた父親のもとで生まれ育ちましたが、母親の死後、父親の再婚相手の女性によって教育を奨励され、自らの力で勉強を重ねて弁護士にまで上り詰めた人です。
この時代は黒人奴隷が当たり前のように使われている時代であり、街中では奴隷市場というものも存在していました。
ある日リンカーンがケンタッキー州を歩いていた時、そこで奴隷市場を目にしたのです。
黒人奴隷たちが物のように売買されていく姿を見てショックを受けたリンカーンは、自分はこの奴隷制度廃止してみせると心に決めたと言われています。
「誰もが平等」な社会に向けて
リンカーンの心の中には独立宣言がありました。
社会は誰もが平等でなければいけない、白人男性ばかりが認められた社会ではなく、黒人など違う人々の権利も認められていかなければいけない、と考えていたのです。
そんなリンカーンは大統領になった後、1863年1月1日に奴隷解放宣言というものを出しました。
実際、この奴隷解放宣言というのは南北戦争に勝利するための戦略であったとも言われており、リンカーン自身は絶対的に奴隷制の反対者ではなかったとも言われています。
しかしリンカーンのこの奴隷解放宣言は、アメリカ独立宣言を現実的なものにするための1歩だったと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
リンカーンはアメリカ合衆国大統領の中でも最も偉大な大統領として知られています。
奴隷解放宣言を出したのみならず、南北の分裂を防いだ大統領として今でも多くの人に慕われているのです。