元は一体なぜ共和党の大統領になったのでしょうか。
最近のアメリカの政治を見ていると、どうしても民主党は平等を目指し、どちらかというと共和党は自由を目指しているという印象を持つ人もいるかもしれません。
また、南北戦争が起こつていたアメリカでは、民主党こそがプランテーションを反映させること、奴隷を使うこと、自由貿易を促進すること、などに賛成していたのです。
ここでは、いったいなぜリンカーンは共和党を選んだのか、なぜ共和党の大統領になったのか、ということについて解説します。
民主党の平等と共和党の平等
まず、独立宣言に書かれている「人類は皆平等であり」という表現における人類というのは、あくまで白人男性のことであるということを明らかにしておきましょう。
確かに人類は平等であると考えられていましたが、女性や黒人などのマイノリティにはその権利を与えられていなかったのです。
そんな中、民主党にとっての平等というのは白人が他のマイノリティーに比べて劣った立場にいないことこそが重要でした。
それに対して共和党は白人が自由に振る舞えることが大切だったのです。
だからこそ、民主党においてはアメリカの基準こそが世界の基準であるパックスアメリカーナが正当化され、共和党においてはアメリカンドリームというものが正当化されていたといえます。
リンカーンの目指した平等
確かにリンカーンが出した奴隷解放宣言というのは、黒人を奴隷の立場から解放させ、権利を与えた素晴らしい宣言に聞こえるかもしれません。
しかし、実際の奴隷解放宣言というのはそのような平等を目指すものではなかったのです。
リンカーンの伝記には「リンカーンが奴隷市場を見てショックを受け、奴隷制度の廃止を誓った」などと書かれているものもありますが、実はリンカーンは奴隷制は必要があれば仕方がないと考えていた人物でした。
しかし南北戦争において南部が勝利を収めそうになり、南北の分断を防ぐために政治的な意図を持って奴隷解放宣言を出したのです。
続く黒人差別
確かにリンカーンは1863年に奴隷解放宣言を出しましたが、だからといって彼が黒人たちに白人同様の権利を与えたというわけではありません。
黒人たちが白人同等の権利を与えられたのは1963年、「私には夢がある」と述べたキング牧師たちの公民権運動によります。
ですから、決してリンカーンの奴隷解放宣言は平等を目指したものというわけでは無いのです。
だからこそ、リンカーンがなぜ共和党から出馬したのか、なぜ共和党の大統領になったのかということに関しては、あくまでもリンカーンに近い考え方が共和党だったから、と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
確かに、民主党と共和党を考えたとき、なぜリンカーンは共和党だったのか、というのは非常に興味深い話題ですよね。
どちらかというと、民主党は戦争否定派、共和党は戦争肯定派と言えるかもしれません。